愛情漂流
辻仁成さんの新作
子どもを同じ保育園に通わせる2組の夫婦の話。
私風解釈だと、2組の夫婦がそれぞれ、体の不倫と心の不倫をしているような感じ。
心の不倫をしている2人には愛があるとかではなく、物の思考であったり、感覚が理解し合える、通じ合っているというか。
一方、体の不倫をしている方も愛があるかと言えば、男の方は妻に対しての気持ちの方が強い。
まあ、正直なところ、ストーリーとしては面白みを感じなかった。
だけど、一点だけ、私にとっての真理を発見した!
体の不倫をしている方の妻は、夫が愛はあっても性はないというタイプで、ありがちな?セックスレスが引き金となって不倫を始めた感じ。
その妻が、正確な台詞は忘れてしまったけれど、夫に「私としたい」と思って欲しかった、というようなことを言っていたのだ。
そうなんだよ。
私も、夫から「君はもっとしたいんだろうなとは思っている」と言われたことがあり、そう思っているのなら、なぜしないのか、しようと努力してくれないのか、と悲しかったし、その後、それが腹立ちへと変わっていった。
でも、その台詞で気が付いた。
私がしたい、のではなく、私としたいと思って欲しかった、のだ。